こんにちは元塾講師TSUTOMUです。
今回は「小学生を塾に通わせても成績上がらないのは何で?」という疑問に答えます。
小学生を塾へ通わせておけば、あとは自動的に成績も上がるだろう‥
こんなふうに期待して通塾させる家庭も多いですが、結果的に成績が上がらず悩んでしまうというのが今回の場合。
じつはこのパターンというのは結構多く、かならずどこかに原因があるものです。
原因というのは塾であったり子供自身であったりと、幅広く探っていくことが改善へむけ極めて重要。
私のこれまでの経験をもとに、おもな5つの原因と対策について詳しくお伝えします。
小学生を通塾させても成績上がらない5つの原因と対策
私の経験からは、つぎの5つがおもな原因と考えます。
- 塾の学習内容が適正ではない
- 塾でしっかり質問(疑問解消)できていない
- 子供のやる気が下がっている
- 過去の「つまずき解消」ができていない
- 正しい家庭学習ができていない
きっと、この5つの中でどれかに当てはまるかと。
複数の原因が考えられるかもしれませんが、1つずつ的確な対策を講じていけばきっと改善が見えると思います。
さらに詳しく、これら5つの原因と対策について解説します。
原因と対策①塾の学習内容が適正ではない
小学生が塾で成績上がらない場合、まずは学習内容を確認してみるのがおすすめ。
子供の弱みを中心とした学習目標を立てるのが一般的な塾のスタイルですが、なかには曖昧な学習目標・内容で進めるという場合も実際あります。
より具体的にいえば、ただ単に過去問を解かせるのみといった塾など。
学習塾のおもな意義は「苦手解消による成績アップ」がメインとなるため、闇雲に過去問を解くだけという場合であれば、ほぼ塾としての効果が得られないため成績上がらないという結果につながりやすいものです。
とはいえ親のほうとしては、学習塾に任せているから安心、という気持ちもあるかと。
しかしここは親の出番ということで、現在の学習内容にまず疑問を持つようにして、子供の弱み解消につながるような内容であるかチェックしてみるのがおすすめです。
いかに苦手解消を行って問題を解けるように能力向上させ、成績向上につなげるか。
この学習塾が提供するべき施策をしっかり実施できていないようであれば、そのまま同じ塾へ通わせていても成績は上がらない状態が続くかと。
もし子供に適した学習内容でなければ、塾側と話し合って改善を試みることが必須対策となります。
最悪の場合であれば「塾の変更」といった行動もやむを経ない、と私は感じます。
原因と対策②塾でしっかり質問(疑問解消)できていない
小学生が塾で成績上がらないという場合、わりと多くみられる原因がこの「疑問解消不足」という部分。
疑問に感じる部分をしっかりと解消まで至ることができていないため、結果的に成績が上がらないといったマイナス効果を生じているのがこの状況になります。
とくに「人数の多い塾」であるほどこの傾向は強く、集団塾スタイルでは質問がかなり難しいもの。
したがって塾で質問ができているか子供に確認してみる、というのも成績が下がる原因改善へつなげるための良い手段となります。
質問のしやすい塾というのは集団塾(少人数制)、個別指導塾(1対4まで)、次世代スタイルなど。
ここで注意しておきたいのが個別指導塾で、いくら個別といっても1対8など、講師の受け持つ人数が多くなれば質問はほぼ難しいというのが現状です。
とはいえ最終的には塾の人数が多くとも、しっかり質問ができれば成績アップが期待できるかと。
まずは学習塾でしっかり質問による疑問解消ができていることを確認して、どうしても難しいのであればより少人数制の塾を考える、などの改善対策を講じることがおすすめです。
原因と対策③子供のやる気が下がっている
小学生が塾で成績上がらない原因として、ひとつ考えられるのが「やる気」の部分。
この「やる気低下」につながる原因には塾内部問題や家庭問題が挙げられ、いずれにおいても健全な状況へ改善することが重要な対策になります。
塾内部における問題であれば塾側と相談する、家庭問題であれば夫婦間での相談など。
とくに家庭内部の問題については気が付きにくいため、できる限り客観的な視点をもって全体を見渡して考えてみることがポイントと私は思います。
わりと小学生という時期は、まわりの空気感などに敏感な面があるもの。
マイナスの空気が漂っているほど成績が上がらない原因となる場合も多いので、勉強以前の問題として適正&健全な状況にまずは戻すことが大切かと。
小学生のやる気低下は成績に直結する場合が多いため、少しでも早く改善しておくことが必須です。
私が元塾講師時代に見てきた例としても、家庭環境の改善とともに成績アップへつながったという場合も実際あるほど。けっこう大きな原因であると私は思うので、勉強だけではなくこの「環境面」においてもチェックしてみるのがおすすめです。
原因と対策④過去の「つまずき解消」ができていない
小学生が塾で成績上がらない原因として、わりと多くみられるのが「つまずき」の解消不足。
しっかりと質問のできる塾では過去のつまずき解消も行いやすいですが、集団塾などの場合はなかなか難しく、結果的に家庭学習でこの作業を行うといった対応が必要になります。
過去のつまずきを発見するという作業はかなり困難で、現在解けていない問題からさかのぼって原因追及が必要。
理解できていない(つまずきとなっている)単元が見つかれば、今度はしっかりと理解させるための施策が必要で、また1つずつ単元理解を進めて現時点まで追いつくといった作業が必須となります。
この作業というのは時間を要するため、優秀な塾でもなかなか難しく最終的に自宅で取り組むのがもっとも効果的。
とくに算数・国語といった積み上げ学習となる教科においては、過去のつまずきがあると塾へ通わせても一向に成績が上がらないといった、悪循環になる場合も多いためしっかりと「つまずき対策」することが改善に向け重要です。
成績アップを達成している家庭の多くは、この「つまずき」をうまく処理している場合が多いもの。
つまずき処理は遅くなるほど未理解ボリュームが多くなり、また問題改善の複雑化が進み深刻な状況に陥ってしまい悪循環となるため、少しでも早くつまずき解消を行うことが大切になります。
学習塾ではこの部分において、最適な効果を得るという好転はあまり期待できません。
塾へ通わせながら自宅でサポートすることが最善の改善対策になるので、成績アップのためにも着目しておくことをおすすめします。
原因と対策⑤正しい家庭学習ができていない
小学生が塾で成績上がらない原因として、この「家庭学習」というのも重要なポイントと思います。
直接的に塾とは関係ないですが、学習塾へ通わせていれば完璧、と考えるのは辞めたほうがいいかと。学習塾は成績アップのサポートはしてくれますが、さらにその知識を家庭学習へ活かすことが重要になります。
したがって私がベストと考える勉強方法は、学習塾&家庭学習の両立というスタイル。
相互作用によってより成績アップが期待できるようになるため、どちらか片方ではなく2つ同時に力を入れ、バランスをとることが成績アップにつながる効果的な対策と思います。
とくに家庭学習で重要となる施策が「過去の徹底復習」で、これを疎かにすると成績ダウンの恐れあり。
小学校のテストを考えてみるとよくわかりますが、テストというのは過去の理解度を図るための施策で、履修内容をどれだけ理解しているか確認されるというもの。
したがって家庭学習としては、塾で得た知識を取り込んだうえでの過去の復習が中心。
学習塾と家庭学習いずれもリンクさせることによって、より成績アップへつながりやすい学校外学習を実践できるかと思います。
また「行き当たりばったり」という家庭学習スタイルも、あまり効果的ではありません。
できれば年間の学習スケジュールを作成するなど、毎日の学習内容を明確にしておき家庭学習内容で迷う時間を省くなどを行うことで、より成績アップに効果的な正しい家庭学習の実践につながるかと思います。
学習塾だけに成績アップを頼るのは、かなり不安定というのが私の正直な感想。
しっかりと効果的な家庭学習を実施することで、より成績アップが期待できます。
そこで、私がおすすめの家庭学習スタイルについて紹介します。
小学生に塾との併用で効果的な家庭学習スタイル
先ほども話したように、成績アップを目指すとき塾だけに頼るのはナンセンス。
そこで、私がおすすめと感じる家庭学習スタイルは次の通り。
- 通信教材(紙スタイル)
- 通信教材(デジタルスタイル)
- 家庭教師(訪問型)
- 家庭教師(オンライン型)
いずれの家庭学習スタイルにおいても「子供との相性」を重視することがポイント。
また各スタイルで特性が違うので、塾と合わせ最大の効果となるよう考えてみるのがおすすめです。
それぞれ学習スタイルについてさらに詳しく解説します。
塾以外でおすすめ①通信教材(紙スタイル)
おすすめ度 | |
メリット | かなり一致率の高い教科書準拠となっている場合が多く、1日の学習範囲がわかりやすい。教科書準拠と相まって確実性の高い定期テスト対策などを行いやすい。 |
デメリット | 現学年しか学べないため過去の復習においては弱い。アナログ式ということで情報量が少なめでどうしても限界がある。 |
小学生へ塾と併用する場合、もっとも自然体で履修できる学習スタイルです。
とくに中学受験を目指さないという場合は、この通信教材(紙)の家庭学習だけでも十分なほど。小学生の家庭学習に必要なコンテンツはすべて揃っており、5教科を一通り履修できるためかなりの効果を期待できます。
小学生が塾で成績上がらないとき、併用することで原点回帰できるのもメリット。中学受験における応用範囲までは学べませんが、基礎範囲からやや応用範囲まで幅広く履修できる通信教材です。
こN通信教材(紙)の大きなメリットになるのが「一致率の高い教科書準拠」で、小学校と同じペースで学べるため成績アップにつながりやすいのが特徴。とにかく「1日の学習内容が分かりやすい」など、とくに家庭学習グセがついていない場合におすすめのスタイルです。
ただ1点だけ注意すべきポイントは、教材選びをしっかり行うという点。
各教材によって内容や構成が大きく異なるため、学習内容やボリュームなどを徹底的にチェックしたうえで選ぶのが、より成績アップにつなげるためのポイントになります。
紙学習なので慣れるのも早く、かなり人気のある学習スタイル。
小学生の塾と併用するにも適した内容で、不足部分をかなりカバーしてくれるといった効果も期待できます。
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塾以外でおすすめ②通信教材(デジタルスタイル)
おすすめ度 | |
メリット | 映像授業などデジタル特性を活かした効果的な機能によって理解しやすい。インターネット特性を活かし情報量もかなり豊富で、無学年方式を選べば過去の復習についてもしっかり取り組める。 |
デメリット | パソコンやタブレット画面で履修するためモニター慣れが必要。アナログ式と違って情報の格納場所が分かりづらく、初めのうちは困惑する場合もある。 |
通信教材の紙スタイルが進化した形で、より多くの情報量でしっかり履修できる学習スタイルです。
さすがに最新型の学習スタイルということで学習効果は極めて高く、紙スタイルとは比較にならないほど。また基本的にクラウド型のため、つねに内容が最新情報へアップデートされるのもデジタル教材ならではの特徴です。
とくにデジタル教材で大きな特徴となるのが「映像授業」の搭載で、文章を読んでも理解できない場合にはかなり効果的。わかりやすい解説と動きのあるビジュアルによって、理解へつなげやすい家庭学習を実践できるかと思います。
小学生の塾と併用する場合、かなり相性に優れるのもこのデジタル教材。
映像授業によって過去のつまずきを解消しやすく、ボリュームある問題数によって定着にもつなげやすい。さらに「無学年方式」というデジタル教材を選ぶことで、さらに学年を通り越して学べるため極めて有効といえる家庭学習を構築できます。
過去の授業を視聴できるという部分は、どう考えても塾では不可能といえる大きなメリット。
このデジタル教材も塾代わりとして単独でも十分に学習効果が期待できるため、塾で成績が上がらない場合に、代わりとして切り替えるという利用方法もおすすめです。
私としても、かなりおすすめの学習スタイルになります。
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塾以外でおすすめ③家庭教師(訪問型)
おすすめ度 | |
メリット | 講師がすぐ横にいてくれるため桁違いの安心感を感じられる。疑問点をすぐに質問できるため解消しやすく、講師側からも実際の学習ノートなどから弱みを指摘してくれる場合もある。 |
デメリット | 対人関係が苦手という場合はやや厳しい。派遣エリアを気にする必要があるため、なかなか気に入った家庭教師会社が見つからない場合も多い。 |
小学生の塾以外において、代表的といえる学習スタイルが訪問型の家庭教師です。
これまでにも小学生が塾で成績上がらないという場合に、代替手段として利用されてきた学習スタイル。マンツーマン指導のため質問もしやすく、塾で成績が上がらない原因解消として極めて有効な学校外学習になります。
最も大きなメリットといえるのが、やはり講師がそばに居る安心感。
もし疑問があれば即質問できるため解消しやすく、疑問解消できることによって勉強も先へ進める。したがって結果的に成績アップへつながる要素が大きいといえるのが訪問型の家庭教師の特徴です。
ただ1つだけデメリットを言えば「対人関係」の部分で、この点においては子供の性格についても考える必要あり。
講師との対面指導が苦手でなければかなり有意義な家庭学習を構築でき、しかも一般学習だけではなく中学受験にむけた難問対策も可能なため、学習塾と同レベルかそれ以上の効果が期待できる学習スタイルになります。
小学生の塾との併用、または代替え方法としてかなり人気なので一考してみる価値ありです。
✅ より優秀な訪問型家庭教師について「裏側」まで探りピックアップしてます。
塾以外でおすすめ④家庭教師(オンライン型)
おすすめ度 | |
メリット | 対人関係が苦手でも画面越しなので緊張しにくい。講師が直接自宅へ来ないため気楽に利用でき、派遣エリアを気にすることなく全国どこでも利用可能。 |
デメリット | 情報共有という点においてやや難しい部分がある。インターネット端末を使ったマンツーマン指導のため画面慣れという部分においてもやや注意。 |
小学生の塾以外で効果が期待できるといえば、このオンライン型家庭教師もかなりおすすめ。
私としてはトップレベルにおすすめの学習スタイルで、訪問タイプの家庭教師となんら変わりない内容で学ぶことができます。
家庭教師(オンライン型)の大きなメリットは、優秀な講師が集まりやすいという点。
訪問型のように派遣エリアの概念がなく、また全国から講師が集まってくるため、より高学歴&高指導力の講師から指導を受けやすいのが特徴です。
とくに訪問型のような直接的な講師派遣がないため、対人関係が苦手でも利用しやすいかと。
マンツーマン指導を画面越しで受けられることで子供の緊張感も減らせ、質問しやすい環境を整えるという意味においても優位性の高い学習スタイルになります。
1つだけ難点をいえば、情報共有がややしづらい部分。
学習ソフトを使って画面内の共有ノートに双方から書きこむなど、かなり最新システムにより意思疎通しやすくなっていますが、やはりリアル指導と比較すると困難と感じる場合もややあるかと思います。
とはいえ情報共有システムに慣れてしまえば遜色なく利用でき、パソコンやタブレットがあれば学習場所も自由。
一般的な学習をはじめ中学受験対策まで、どんな学力レベル(偏差値)における成績アップ対策としても期待できると学習スタイルです。
もちろん塾との併用も効果的ですが、このオンライン指導単体でも十分な学習ができます。
✅ 全国でも「トップレベル」のオンライン家庭教師をピックアップしてます。
小学生に塾との併用におすすめ家庭学習スタイル比較一覧
ここまでに紹介した4つの学習スタイルを比較一覧表として示します。それぞれの学習スタイルをクリックすると先ほどの解説項目へ戻ります。
学習スタイル | おすすめ度 | メリット | デメリット |
通信教材 (紙) | かなり一致率の高い教科書準拠となっている場合が多く、1日の学習範囲がわかりやすい。教科書準拠と相まって確実性の高い定期テスト対策などを行いやすい。 | 現学年しか学べないため過去の復習においては弱い。アナログ式ということで情報量が少なめでどうしても限界がある。 | |
通信教材 (デジタル) | 映像授業などデジタル特性を活かした効果的な機能によって理解しやすい。インターネット特性を活かし情報量もかなり豊富で、無学年方式を選べば過去の復習についてもしっかり取り組める。 | パソコンやタブレット画面で履修するためモニター慣れが必要。アナログ式と違って情報の格納場所が分かりづらく、初めのうちは困惑する場合もある。 | |
家庭教師 (訪問) | 講師がすぐ横にいてくれるため桁違いの安心感を感じられる。疑問点をすぐに質問できるため解消しやすく、講師側からも実際の学習ノートなどから弱みを指摘してくれる場合もある。 | 対人関係が苦手という場合はやや厳しい。派遣エリアを気にする必要があるため、なかなか気に入った家庭教師会社が見つからない場合も多い。 | |
家庭教師 (オンライン) | 対人関係が苦手でも画面越しなので緊張しにくい。講師が直接自宅へ来ないため気楽に利用でき、派遣エリアを気にすることなく全国どこでも利用可能。 | 情報共有という点においてやや難しい部分がある。インターネット端末を使ったマンツーマン指導のため画面慣れという部分においてもやや注意。 |
まとめ
今回は「小学生を塾に通わせても成績上がらないのは何で?」という疑問に対して、
といった形をもって、それぞれ私の経験をもとに答えてきました。
まず知っておいてほしいのが「小学生は塾へ通わせれば成績が上がる」というものではありません。
いくら塾へ通わせたところで成績の上がらない原因があれば、時間がたつほどマイナス効果しかないかと。少しでも早く成績が上がらない原因を突き止めて、適正に改善していくことが親としての役目になります。
考えられる原因を端的にいえば「塾側」「子供自身」「周囲の環境」などがあり、まずはこの原因を探ること。
その結果として学習塾そのものを変更する、家庭学習スタイルを強化する、環境を改善するなど、状況に沿って然るべき対処法を用いることが必要です。
小学生を通塾させても成績上がらない、という場合の改善策として今回の内容をぜひお役立てください。